2022日本大学大学院 法学研究科デジタルパンフレット
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教育研究上の目的私法学専攻博士前期課程私法学専攻博士後期課程大学教育で学んだ知識を更に確実なものとし、これを応用しうる教育を行う。修了後には研究者、公務員、税理士あるいは一般企業の法務業務に携わる法律専門職として活躍し得る人材を養成する。このために法の歴史的発展や比較法の研究による法制度の理解を図り、法解釈の手法とその実践を試み、判例研究などの方法を通じての生きた法を理解する教育・研究を行う。研究者として活躍し得る人材、これに準ずる専門職に従事する人材を養成する。この目的の達成のために研究対象とする法の立法過程の研究、外国法の研究もしくは判例研究などを通じて法の運用状態を調査することを支援し、研究成果としての論文作成の指導を行う。危機管理制度としての損害保険法を多角的に研究 学部時代は災害マネジメント領域を専攻していました。3年の時に現在の指導教授である福田弥夫先生の損害保険法の授業を受け、危機管理の制度としての損害保険の重要性や意義は大きいと感じ、より深く勉強したいという思いから、推薦入試で日大大学院へ進学しました。 現在手掛けている研究テーマは「損害保険における自然災害による保険者免責の検討」です。保険事故によって損害が生じた場合、保険会社は原則として損害填補責任を負いますが、免責事由に該当する場合には責任を免れます。たとえば火災保険では地震によって火災が発生した場合は担保の範囲外になります。免責事由は重大な利害を有する規定であり、免責事由に該当するか否かをめぐって争いが生じることがしばしばあります。私は自然災害による免責規定が設けられるに至った背景やその過程、保険の種類による違いを調べ、諸外国の制度との比較などを行うことで、不透明な部分を明らかにするとともに、保険者平等の観点からの問題点も検討していきたいと考えています。 大学院では自分がやりたい勉強や研究をどんどん掘り下げることができます。また、多角的視点から物事を考える力、発言力や発表力が培われました。昨年はコロナ禍でオンラインでの授業でしたが、先生方の工夫によって非常に質の高い授業が行われ、とてもありがたかったです。今後は後期課程に進み、学部時代に学んだ危機管理学の観点、大学院で学んだ法学的観点の両方から、自分にしかできない研究を進め、研究者を目指したいと考えています。<受験生へのメッセージ> 学部時代と違い、より自発的な学びとなるのが大学院の魅力であり、面白さです。志望者の中には英語が苦手な人もいるかもしれません。実は私もそうでした。ただ入学後、英語文献に触れる時間や機会が圧倒的に増えたことで、英語力が大きく伸びました。先生方も手厚く解説してくださいます。英語が苦手だからと大学院進学をあきらめるのはもったいないです。自発的に学ぼうという意欲さえあれば、英語力はついてくるものですよ。法学研究科 私法学専攻 前期課程2年黒田 佳祐さん(日本大学危機管理学部卒業)私法学15

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