TOP > 研究情報 > 教員の研究紹介

研究情報

教員の研究紹介

公法、私法、政治、公共政策の科目を担当している注目の教員を紹介します。現在どのような研究をしているのか、各専攻の特徴、院生を指導するにあたって留意している点などをインタビュー形式でお伝えします。

インタビュー

税理士試験では、合格に必要な5科目のうち、大学院の修了により税法の2科目を免除されることが認められています。私はこれまで税理士を目指す多くの学生の思いに応えており、実践的な指導を通じて、税法のプロを育てていきたいと考えています。そのためにはITの活用も重視しています。研究には多くの判例に当たる必要があります。その昔は図書館や研究機関に通い、必要な判例を見つけるまでに1週間もかかりましたが、今は判例データベース等を検索すれば、ものの1分で的確な情報にたどりつきます。授業もPCでノートを取れば、論文執筆のためにすぐに文章化できるでしょう。試験合格のために必要な知識は膨大にありますが、単なる暗記ではなく、それらをどう活かすか。ITを活用することで得られた時間を、深い探究や新たな創造に当て、研究を突き進めてほしいと思います。

日本大学は名実共に日本を代表する総合大学であり、新たな学びの手法を生み出せる組織だと私は考えています。その一員として新たな挑戦をしていきたい。ITの活用はその一つです。また、本学では私を含め3名の教員が税法を専門としており、この分野に強みがあります。私が師事した北野弘久先生(法学部名誉教授)は、『課税のための税法ではなく、納税者の権利を擁護する税法を学んでほしい』と語られていましたが、その真髄を私も受け継ぎ、市民のための税法のあり方を伝えていきたいと思います。

私法学の分野で学ぶのは、民法や商法、民事訴訟法、労働法等々。守備範囲が広いのが特徴的です。例えば民法で取り扱うのも、相続、不動産、金融など多岐に渡るので、学生の関心も人それぞれでしょう。学部時代に学んだことをベースに、ある程度の方向性を持って進学しますが、研究を進めるなかで関心事が変化しても、各教員が柔軟に対応。修士論文は主査と副査、それぞれ専門分野を持った2名の教員が指導に当たり、学生が知りたい領域を共に突き詰めています。

教員の私から見ても、学部の1年次・2年次の専門科目で初めて各法律の基礎を学び、何とか概要をつかめた上で、3年次・4年次のゼミとなるので、研究も十分掘り下げるには至りません。それに比べさらに一歩踏み込んだ研究ができるのが大学院です。対学生というよりも、自分と同じ研究者として接したいと思いますし、学生もそういった意識を持って講義に臨んでいます。私が幹事をしている学会の総会運営のお手伝いをお願いすることもあり、研究の最前線に接することができます。各法律が社会の中でどう活かされているのか、その本質に迫れるのが大学院での研究だと思います。都心の立地で、学内には蔵書数や設備が充実した図書館が、キャンパスの近くには神田神保町の古書街があり、文献検索や情報収集には事欠きません。「研究は情報が命」ですから、恵まれた環境を活かし、自分なりの知の世界を広げてほしいと思います。

政治学のとらえ方はさまざまですが、「伝統的な日本の政治学」を中心に据えているのが日本大学の政治学です。それは125年の歴史があるのをはじめ、日本の初代司法大臣である山田顕義が創立者であることや、政治の中心である千代田区にあることなど、本学ならではの土壌があるからだと思います。そういった環境の中から、古きを尋ね新しきを知る「温故知新」の学びがあると言えます。一般にマンモス校のイメージが強い日本大学ですが、大学院は少数精鋭。教職員も学生一人ひとりの名前と顔が一致し、きめ細かな対応をしています。またカリキュラム面では、特定の分野に細分化することなく、各専門の教員が揃っており、学生の関心に合わせて学ぶことができます。ここ数年、本学を会場とする学会が開かれることも多く、全国から研究者が集まり、最新の情報を得ることができます。この点でも本学の持つ地の利や意欲的な研究姿勢が活かされていると言えるでしょう。

政治学とは、必ずしも政治家になるための学問ではなく、「よき市民になる」ための論理的な思考を身につける学問だと、私は考えています。社会には、さまざまな立場や価値観の人がいますが、対立するのではなく、いかに調整していくのか、その思考のコントロールをするのが政治学です。その意味で社会のあらゆる事象とつながりがあり、修了生も研究者を目指したり、公務員や教員、民間企業等で活躍しています。ぜひ研究を通じて、物事の本質を見抜く力を身につけてください。

単に既存の理論を学ぶだけでなく、最新の学会動向や現実の行政の動き等も参考にしながら、政策立案や実務能力を養うのが当コースです。修了後の進路は、公務員はもちろん、現在は「新しい公共」の姿として、多くの施策が民間と連携して行われているので、民間企業で公共サービスを担ったり、NPOで活躍している人もいます。また、2年以上の公務経験があれば、1年で修士を取得できるので、公務員も在籍。夜間や土曜日のカリキュラムを取得し、仕事との両立を図っています。さらに現役の議員も、政策のスペシャリストを目指し、最新理論を実務に照らし合わせながら学んでいます。このように学部から進学してきた20代から40代の社会人まで、さまざまな世代や立場の学生が集まることで、お互いの世界や分野を理解しあったり、人脈を広げる場にもなっています。

また私は、地方自治体の審議会に学識経験を有する委員として出席。そこで得られた住民の声や行政の姿勢等を大学院での指導にフィードバックしています。それらの活動から感じるのは、より高度な知識と分析手法を身につけることに加え、学問一辺倒ではなく、広い視野を持つことの必要性です。ジョン・スチュワート・ミルは「満足なブタよりも、不満足な人間であるほうが良く、満足した馬鹿であるより不満足なソクラテスであれ」という言葉を残していますが、私も研究を通じ、問題意識を持ち、知識と努力で解決していくことの意義を学生と共に追究していきたいと思います。

PAGE TOP